50代になって色選びなんて今更?
でも、ファッションは明らかに20代の若いころと比べ変化してきている。それなら、改めて色選びについて考えるのも大切なことではないでしょうか。
何でも似合っていた若いころに比べ、いったい何が変わったのか?
50代での意識の変化と、色選びの基本を改めて考えていきましょう!
50代女性はシンプル・ベーシックを求める
おしゃれをしたいのは今も昔も変わりませんか?
ファッションは自分のためでもありますが、周りを楽しませるものでもある。いくつになってもおしゃれを考えるのは素敵なことですよね。
歳をとると、若作りしすぎていないか、大人としてふさわしい服装なのか、昔は気にしていなかった人からの目線もより一層意識するようになってきますよね。
そうすると自然とベーシックな服装を選ぶようになる。
それはみなさん同じのようです。当サイトで行ったアンケートでもこんな声が上がっていました。
約20年、アパレル販売の仕事をしていました。毎シーズン、トレンドを先取り、コーディネートの提案が仕事でした。仕事を辞めた今、トレンドも意識はしますが、素材の良い物、長く愛用できるベーシックなデザインのものを着まわすようにしています。
(56歳/女性)
年齢を重ねてきたからこそ、ある程度おしゃれを意識しないと、実年齢より老けて見えてしまうのが嫌で、きちんと似合うファッションを心がけるようにしています。こだわりというより、最低限の身だしなみをキープする感じです。
(54歳/女性)
みなさんファッションは相変わらず大切にしながらも、よりシンプルに、ベーシックにこだわって服選びをする傾向があるよう。
歳を取ったら派手な服のほうが良いの?
一般的な意見として、ピンクやイエローなど、歳をとったらその分原色など、派手な色を取り入れたほうがいいという意見がありますよね?
これには様々な意見が見られるようです。
- 時代の流れにもよる。バブル期は派手だったけど落ち着いた。
- 和服には歳を取ったら着ないほうが良い色があった。昨今の海外の洋服の流れをくむ中で派手な色が好まれるようになった。
賛成の人もいれば人によるのでは?という声も。いろいろありますが私はこう思います。
若いときは、化粧もいっぱいして、眉毛もしっかり描いて、それでいて自分にある程度自信が持てていた。
顔と肌もファッションのアクセントの一つです。
50代にもなると徐々に化粧によって自分を美しく見せることよりも、ありのままの自分を見せることに意識が行くようになる。
そうすると、いままでアクセントとして活躍していた顔やお肌の主張が弱くなる。
だから派手な服を着ることでバランスが取れるのだと。
歳をとってからこそおしゃれをするのは、私はとっても賛成です。
色選びの基本は?
ファッションでは主に3色遣いが基本と言われます。メインカラー(60%)、サブカラー(30%)、アクセントカラー(10%)。
人によって多少の割合のずれはありますが、おおかたこんなところです。
この色遣いのバランスはとても重要!必ず意識して色を選んでいくようにしましょう。
問題は色の組み合わせ。
- パステルカラー
- ビビッドカラー
- ペールカラー
など。色は配色だけでなく、その濃淡、明度によっても様相を変えていきます。
色の相性は理論でも説明することができますが、なかなか複雑になってしまいます。
なのでまずはよく使われる色と、相性の良い色を簡単にまとめてみましょう!
なぜその色を選ぶの?という根拠については後半で解説していきますね。
ネイビーと相性の良い色の組み合わせ
ネイビーは濃淡はかなり深い色味となってくるので、相対するホワイトや淡い色をサブカラー(30%)に持ってくるのがおすすめ!
その分、アクセントカラー(10%)になるのはレッドやオレンジなどのビビッドカラーを取り入れることが多い。
ネイビーといえばデニム。おしゃれな男性はデニムに白シャツでOK!なんて女子の間でもよく話されますが、きちんと相性の良い組み合わせになっているんですね。
アイスグレーと相性の良い色の組み合わせ
アイスグレーはパーカやTシャツなどでは定番中の定番!
ジャケットやスラックスなど、フォーマルなシーンでもよく用いられる色ですね。
彩度がなく、濃淡だけの色になるため、いきなり暗色を取り入れるのはなかなか難しい…。
そのためサブカラーにはベージュやペールブルーなど、あまり差のでない淡い色遣いを持ってくることが大切です。
彩度が無いのでアクセントをつけることが難しいのですが、グレーは寒色に分類されるので青系の色、もしくはシルバーなどでキラッと光るポイントを取り入れてあげるとメリハリがついて見えますよね。
相性の良い配色に今回ブラックを入れていませんが、『アイスグレー + ブラック』の組み合わせはモノトーン(白黒)というちょっと特殊な色遣いしか受け付けません。
なのでアイスグレーをカジュアルに着こなすには上記の配色としてご紹介しています。
ベージュと相性の良い色の組み合わせ
ベージュの代表的なアイテムはチノパン!
ワークパンツとして着られていたものですが、今ではフォーマルなシーンでも定番アイテムの一つになっていますよね。
ベージュはシンプルな配色として人気が高く、50代のファッションアイテムとして着まわされることが多いもの。
なぜシンプルに見えるのかと言うと、ベージュは日本人の肌の色と親和性が高いからです。
親和性が高い分、他の色と比べると3色遣いにしても少し色が足りない印象を与えます。
そのためフォーマルな場には適していますが、ラフな場でカジュアルに着こなすには地味にならないよう注意が必要。
アクセントにレッドや、ゴールドの小物などを取り入れる気づかいは、他の色よりも重要になってきます。
実はコーディネートが難しい色の一つ。
カーキと相性の良い色の組み合わせ
もともとはミリタリー、つまり軍服として扱われていたカーキ。
モッズコートやジャケット、カーゴパンツなどによく使われますが、発祥からもわかるようにかなりカジュアル寄りの色なので、50代になると使用頻度は減ってくるのではないでしょうか?
上品に見せるにはやはり清潔感を補填する白との相性が一番!
白のTシャツ、アイスグレーのスラックスというように全体を白く見せて、カーキのジャケットやトレンチコートをさらっと合わせると上品に見えますよね。
ゴールド入ったのアクセサリーや、薄めのイエローなどのバッグなど小物を持てば完璧。
サブカラーに暗色を選ぶ場合はオレンジ系統の皮アイテムが相性抜群です。
黒と相性の良い色の組み合わせ
黒はシックな色遣いで、ダークカラーとは相性が良い。
カーキ、ネイビー、ワインレッドなど。
ジャケット、スーツなどの印象が強く、フォーマルなスタイルには外せない色。
逆に彩度がないためカジュアルに着こなすのは難しいのですが、この色は日本人には適した色になります。
それは髪の色、目の色と一致するから。
そのためダークブラウンなど暗めの色と合わせても、ファッションとして成り立つんですね。
但し、全体に色味が暗くなるのは避けられないので、秋口などに活躍することの多い色です。
白と相性の良い色の組み合わせ
さわやかな印象を与える白。
白シャツなどに用いられるフォーマルなスタイルの王道ですね!
マリン系のファッションでも欠かせない色の一つになります。
清潔感に関しては右に出るものはなく、肌着・インナーとしてはこれほどシェアを誇る色はないでしょう。
形を選ばずあらゆるアイテムに登場。
どの色とも親和性が高いので特に組み合わせを気にすることは無く、気にすることはメインカラー・サブカラー・アクセントカラーのバランスのみ。
裏を返せば、白の使い方を極めればファッションの色遣いにおいてはほぼ敵なしと言えてしまうかもしれませんよ?
黒と白は同時に使のは避けたほうが良い
黒と白は対極の色であり、お互い彩度のない色。
そのためモノトーン(白黒)コーディネートで使う場合がほとんどです。
中途半端に他の色を混ぜるとギクシャクした色遣いになってしまう。
赤やゴールドなど、ビビッドな色を取り入れると着こなすこともできますがなかなか難しいので『これだっ!』と思うコーディネートがない限りは、避けたほうが無難。
アクセントとして用いる程度であれば問題ありませんが、メインカラーとしては極力どちらか一方のみをチョイスするようにしましょう。
どうやって色を決めているの?
理論的な説明になるので
- 特に理屈に興味のない人
- 頭を使うのが苦手な人
- 今ちょっと眠い人
は読み飛ばしてくださいね!
色相環の位置関係から考える
3原色という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、意味まで知っている人はいますか?
これは何か2つの色を足して作ることのできない、すべての色の元になることを言います。
3原色には2種類ありますが、絵の具を足して計算するような場合は、イエロー(黄色)、マジェンタ(赤紫)、シアン(水色)が3原色として扱われます。
この色の流れをあらわした図が、以下の色相環というもの。
メインの色を一つ決めたとき、この色相環で相対的に60度の位置にある色が相性のいい色と言われています。
青をメインに選ぶのであれば、青と60度の位置関係にある黄緑と赤が相性のいい色となるわけですね。
『青・黄緑・赤って、そんなハイカラな組み合わせで小馬鹿にされないわけが無かろうが!』とおっしゃる方もいるかと思います。
それも正しい。
コントラストをつける
色選びにはもう一つ、色のコントラスト(濃淡)の差をつける必要があるんですね!
それを表した図が以下。
上の赤丸(ライトの位置)で囲った色を起点としています。
ちなみにこの色、何の色かわかりますか?この色を選んだのには理由があります。
まずはトーンの組み合わせの基本。
相性の良い色を選ぶときには、トーンを2つ離すと良いとされており、ライトの位置を基準とすれば、グレイッシュ、ダル、ストロングあたりの色味を選ぶと良いというわけです。
かつ、配色が60度の位置関係にあるものということで、矢印の先にある赤丸で示したネイビー、モスグリーンなどが相性の良い色の候補になります。
日本人の肌と相性の良い色
先ほどの赤丸で囲った色、これは皆さんの肌の色を選んでみました。
するとネイビーとカーキが相性の良い色となりましたが、これはデニムやカーゴパンツなどの定番色としてよく用いられる色ですよね?
これらは単に流行っているというわけではなく、日本人の肌の色の相性が良いから日本に定着しているととることもできると思いませんか?
黒人には黒人に似合う服、白人には白人に似合う服がある。
もちろん、デニムの藍色はもとは虫よけ、カーゴパンツは軍服と発祥は異なりますが、それが定着したのには、日本人に合った色だから、ということができるのかもしれません。
そう考えると、色に対しても少し、愛着がわいてくるようにならないですか?
まとめ
いかがでしたか?
色選びは奥が深い。迷ったときは、自分の肌の色も考えてみると、自然な服装が思いつくかもしれません。
洋服で自分をアピールするのも良いですが、自分を引き立てるものとして服があるということも忘れないようにしたいですね。
色とりどりの洋服に囲まれて一着一着に思い入れがある。だからこそ今日はどの子を連れて行こうか、迷ってしまうことがあるのではないかとも思います。
色の組み合わせは理屈で話すこともできますが、その服がどんな着られ方をしたいのか、洋服をじっくり見つめて話し合うのも贅沢な時間と言えるのではないでしょうか。
より長く、より素敵に服を着こなすために、少しずつ試行錯誤して服とともに成長していきたいですね。